鈴木慶一『座頭市 オリジナル・サウンドトラック』(ASIN:B0000A8V3B)

座頭市 オリジナル・サウンドトラック

 北野武監督が慶一のどの側面に期待して今回の起用となったのか非常に興味があったのですが、少なくとも映画『チキン・ハート』のサントラだけを聴いて決めたわけではなさそうです。どちらかというと従来の北野映画において久石譲がやってきた路線に近い。北野監督は作曲家に鈴木慶一を迎えたからといって自身の方向性をドラスティックに変化させる気はなかったようです。慶一にとってはなかなか難しい仕事だったかも知れません。
 マイフェイバリットを1曲挙げるなら、名曲『僕は走って灰になる』を彷彿とさせるホーンセクションがエキサイティングな『Festivo』か。もっともあれは武川曲ですが。慶一的には比較的得意なジャンルに属する曲調でしょう。しかし恐らく、このアルバムの聴き所はそれ以外の部分にあると思うのです。映画監督・北野武と音楽家鈴木慶一の差向いの勝負。映画を観るのが楽しみ。